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「日本人人質事件」の全責任は安倍晋三にある!

 イスラム国が日本人男性2名を拘束し、日本政府に2億ドル(約236億円)を支払わなければ2人を殺害すると警告した「日本人人質事件」が発生した。その後、湯川氏は殺害されたとされ、後藤氏についても、ヨルダンに収監中のサジダ・リシャウイ死刑囚との交換をめぐるやりとりが行われている。
 今回の一連の事件の全責任は、日本国総理大臣・安倍晋三にある。
 ところが、国会やマスコミなどは、「政府批判をすべきではない」などと言って、安倍を擁護し、「テロ弾劾」の大合唱となり、挙国一致が扇動されている。許しがたい事態だ。

 安倍は、2人が拘束されていることを知りながら、戦時下の中東を歴訪し、「ISIL(イスラム国)と闘う周辺各国に2億ドル程度、支援を約束する」と表明した。イスラム国は、安倍のこの発言を取り上げ、2億ドルを支払わなければ2人を殺害すると警告してきたのである。「日本人人質事件」は、安倍の中東歴訪と発言が引き起こした事態である。安倍は明確に参戦宣言を行ったのである。

 国会やマスコミは、「テロ弾劾」の大合唱をくりかえしている。だが、今回の事件の一切の原因は、アメリカ・イギリス・フランスやドイツ・日本などの「有志連合」(約60か国)によるイラク・シリアに対する侵略戦争にある。昨年8月以来、6か月間で1700回以上の空爆が行われ、6000人のイスラム国戦闘員が殺害されたと報道されている。戦闘員だけでなく、多数の人民を空爆で虐殺し、住居を破壊し、油田を破壊しているのだ。これは、今回の空爆だけに限ったことではない。アメリカ、イギリス、フランスなどの帝国主義による中東侵略戦争は実に100年間にもわたって行われてきた。軍事基地国家=イスラエルの建国、4回にわたる中東戦争、1991年のイラク戦争(湾岸戦争)、2003年のイラク戦争など、中東石油の強奪のために、人民大虐殺の侵略戦争は繰り返されてきた。現在、ヨルダンに収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚も、2003年のイラク戦争後の駐留米軍に3人の兄弟が殺害されて米国に怒りと憎しみをもったといわれる。アメリカを先頭にした帝国主義による中東侵略戦争が膨大な中東人民の怒りと憎しみを生み出し、帝国主義者がいう「テロリスト」をつくりだしていったのだ。そして、この中東侵略戦争の狙いは、中東の石油資源を略奪するものであり、帝国主義の強盗戦争そのものである。

 安倍は、「日本人人質事件」の発生に対して、「2億ドルは人道支援だ」などと言い訳し、「テロには屈しない」と言っている。しかし、安倍はイスラム国壊滅を狙った「有志連合」に参加し、昨年9月23日のエジプト大統領との会談で、「イスラム国が弱体化し、壊滅につながることを期待する」と発言し、アメリカなどによるイスラム国に対する空爆を全面的に支持表明した。今回の2億ドルも、「イスラム国と闘う国への支援」と明確に言い切っている。帝国主義は、直接の戦闘行為のための軍事費だけでなく、戦争によって破壊され家を奪われた人民の怒りを抑え込むために「避難民救済」を行うことはある。これ事態が治安対策であり、そもそも帝国主義による侵略戦争が行われていなければ、家族を失い、家を失い、難民となることなどなかったのである。また、日本は、アメリカと日米安保同盟を結び、在日米軍基地を侵略戦争の出撃基地として米軍に提供している。在日米軍が、アジアだけでなく、中東にも出撃し、イラクで空爆作戦を行ってきたのである。日本は空爆作戦と関係ないなどとは、断じて言えないのである。

 中東の石油資源の強奪をめぐって、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そして日本がそれぞれの立場から強盗的に動いている。アメリカ大統領のオバマは、「テロ組織(イスラム国のこと)を弱体化させ、最終的に壊滅させるために、アメリカが幅広い有志連合を先導している」といい、アメリカ主導でイスラム国壊滅をやると宣言した。フランス大統領のオランドは「フランスはテロとの戦争に入った」と言い、原子力空母を中東海域に派兵すると宣言した。ドイツは、イラクのクルド人部隊に大量の武器供与を開始し、クルド人戦闘部隊をドイツ国内で訓練・養成している。こうした中で、安倍は、銀行や商社、ゼネコンなど46の大企業の幹部を引き連れて今回の中東歴訪を行い、中東全体に25億ドルの援助を行うことを表明したのである。しかも、イスラエルなどに武器輸出を狙っていることも明らかとなっている。こうした安倍の行為自体が、明確に石油強奪にかみこんでいくという帝国主義の強盗外交そのものなのである。

 しかも重大なのは、安倍が昨年7・1集団的自衛権行使の閣議決定を行い、5月連休明けにも集団的自衛権行使を可能にする安保関連法の制定を行おうとしていることだ。今回の「日本人人質事件」こそ、安倍がいう「積極的平和主義」や集団的自衛権行使が何を引き起こしていくのかを突き出している。まさに、今回のように、「殺し殺される関係」に全面的に突入するということだ。安倍のいう「積極的平和主義」こそ、日本が自由に自衛隊という軍隊を海外に派兵し、アメリカのように強盗的な侵略戦争をやるということだ。安倍は集団的自衛権行使のための安保関連法をめぐって、「存立事態」なる新概念を導入し、「国の存立が脅かされた」と内閣が判断すれば、自衛戦争と称して、いつ、どこにでも自衛隊を派兵できるようにしようとしている。今回の「日本人人質事件」を受けて、安倍は「自衛隊で日本人を救出できるようにしなければならない」などと言い始めている。はっきりさせなければならないのは、こうした自衛隊の海外派兵はもとより、46の大企業の幹部を引き連れての中東外交は、労働者人民には1ミリの利益などなく、資本家階級の強盗的利益のために行われるということだ。安倍にとっては、資本家どもの強盗的利益のためならば、日本の労働者人民が戦争で死のうが、イスラム国に殺害されようがまったく意に介しない。むしろ、日本人民の戦争意識をあおる手段として利用しようとしているのだ。
  「日本人人質事件」をめぐって、「政府批判をするな」の論調は、戦争・改憲に向かう安倍の狙いを押し隠し、労働者人民を戦争にかりたてていく許しがたいものだ。特に、日本共産党が完全に安倍に屈服し、政府批判をやらないどころか、安倍を批判した党員を批判し、テロ弾劾の最先頭にたっていることは許しがたいことだ。

 もちろん、労働者人民はイスラム国による「日本人人質事件」を支持することはもとより、断じて認めることはできない。現在、中東諸国では、国営企業の大規模な民営化が行われ、非正規職化が激しく行われている。そして、これと対決する労働者階級が闘う労働組合を結成し、ストライキで闘いにたちあがっている。日本労働者人民は、こうした戦争・民営化・非正規職化と闘う中東の労働者階級と固く団結して、全世界に戦争と民営化をもたらしている帝国主義の全面的な打倒に向かって闘うことが求められている。
 しかし、イスラム国やアルカイダなど、イスラム武装勢力は、こうした中東労働者人民の闘いに敵対するものである。そもそも、アルカイダはソ連スターリン主義のアフガニスタン侵略戦争に対抗して、アメリカやサウジアラビアが武器や資金を提供して育成してきたことに始まりがある。イスラム国についても、2003年以来のイラク戦争がつくりだしたものであり、シリアのアサド政権を倒すためにシリア国内のイスラム武装勢力にアメリカやサウジアラビアが武器や資金提供を行って育成していったものである。そもそも、労働者階級の自己解放闘争とは全く無縁の存在である。労働組合の闘いを認めず、労働者を分断し、団結を破壊するのがイスラム武装勢力だ。イスラム武装勢力の思想・路線・行動では世界の労働者人民の解放と、帝国主義打倒は実現できないのだ。

 求められているのは、階級的労働運動と労働者国際連帯の闘いだ。世界中で吹き荒れる戦争と民営化・非正規職化と闘う労働運動を作り出すことであり、労働者は国境を越えて団結して闘うことである。労働者階級こそ、全世界共通の利益をもち、今の腐りきった社会を根底から変えることができる存在だ。国籍・民族・宗教などの違いをこえて、労働者階級という一点で団結できる存在なのだ。それは今や具体的に動き出している。動労千葉の闘いは、国境を越えて、韓国・民主労総ソウル地域本部との団結をつくりだし、アメリカのILWUやUTLA、ドイツの民営化と闘う仲間、さらにはトルコなどにも連帯関係が広がってきている。この労働者国際連帯の力が、労働者の分断を打ち破り、帝国主義を打倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくりだす力となるのだ。

 日本での闘いは重要だ。安倍は戦後70年を転覆し、侵略戦争のできる国家につくりかえようとしている。これと対決して勝利する道は、国鉄闘争に勝利するとともに自治体職場に闘う労働組合をつくりだすことにある。闘う労働組合の拠点をつくりだし、安倍の戦争と民営化、原発再稼働、沖縄辺野古基地建設、TPP推進、生活破壊の大攻撃を打ち破ろう!
 2・15国鉄集会の大結集をかちとろう!
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プロフィール
動労千葉を支援する会・習志野  国鉄分割・民営化で解雇された動労千葉組合員の解雇撤回をかちとるために、2010年9月、千葉県習志野市で働く公務員労働者を中心に結成。①動労千葉争議団を支援するための物資販売、②宮城や福島などの被災地支援、③職場で労働者が胸を張って働けるように闘っています。          職場新聞『風雲』を発行。

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